Welcome to my blog

ピアニストな日々。

Pianist 小ノ澤幸穂 Yukiho Onozawa のblogです。美しい響きを求めて、いつも心に音楽を・・・。

からだの使い方を知る

土曜日は、神保町町会様からのご依頼で、和亭なにわにてコンサートを開催しました。
ショパン、リスト、ドビュッシーの耳馴染みのある名曲と、シューベルトの小品を選曲しました。





作曲家によって、世界観は様々です。
当然、求められる音色が違うので、意識的にタッチを変えるのですが、なにわのピアノはそれに答えてくれるので、とても感動的なのです。


指先を固めにするタッチや、指の腹を使うタッチ、指のレガートなのか、響きのレガートなのか、ペダルの分量とタイミング、音の濃淡の付け方などなど。
以前に比べ、変化を付けられるようになった自分の技術力を実感できました。
これからも頑張ろうと思います!



「音色が温かかった」
というご感想を頂きました。

こちらの思いが伝わって嬉しいです。


やはり、演奏者が、その作品を通じて、何を考え、何を伝えたいのかを明確に持っている必要があり、それには、その作品を十分に弾くことのできる『技術』あってのことだと、最近特に痛感しています。
ここでいう『技術』は、感覚的なものではなくて、身体の使い方『奏法』が、明確であるということです。
例えば、ものすごく感性が豊かで、伝えたい思いや情熱に溢れていたとしても、それを明確に伝える技術が無いと、不安定な演奏になります。


弾いている本人も迷いの中にいます。


『こうすれば、こういう音が出る』


という事を、身体の使い方というアプローチで理解していて、それを具現化できる身体(筋肉など)を持ち合わせるようになると、様々な会場で様々なピアノに出会っても、冷静にコントロール出来るようになります!

まずは、解剖学的アプローチで、人間の骨はどう形成されているのか、筋肉はどこにどのようにあるのか、それぞれの部位はどこからどのように動き、どこから機能しているのか。
これらを理解する事で、身体の安定を得られ、身体の安定は、演奏中の心の安定にも繋がる事に気付きます。


脳がすっきり整理されている状態。


故 中村紘子氏は亡くなる直前にも、「新しい奏法を見つけたの!次のコンサートで試したい!」と仰っていたそうです。


素敵ですね。


音楽って本当に素晴らしい。
追求も勉強も、楽しい。


日々精進致します。

あたりまえのしあわせ


こちらでも何度か書いています、朗読劇のこと。
私は劇中の音楽と、ミニコンサートでの演奏で携わっています。

昨年は前編、今年は後編。
全国各地で公演をしています。



スライドショーC(今治)
スライドショーC(今治) 2


みんな、本当に若い。

明日、飛び立つ身で、こんなに素敵な笑顔が生まれるなんて。


自らの人生を、命を、国のために捧げる。
こんな理不尽なこと、今を生きる私たちに理解できるでしょうか?


悪く言えば、平和ボケしてしまっているようなこの時代。
あたりまえの幸せを 「しあわせだな」、「奇跡だな」 と思える自分でいたいです。





劇中では、実際に特攻隊員の方が書かれた手紙を読み上げます。


『音楽を聴きたい。

本を読みたい。

勉強したい。』

写真トップ6


今を生きる私たちにとって、あたりまえのことが、彼らにとっては「夢」になっていた。


写真26
  法人会様のウェブサイトより写真を拝借しました。


これからも、いち表現者として信念をもって、与えられた役目に向き合っていきたいです。

絶望の中で見た光

ここ3カ月、シューベルトを弾いています。

正確に言うと、仕事で必要な曲以外、シューベルトの小品とショパンのマズルカしか弾いていません。

シューベルトの「楽興の時」や「即興曲」は、ショパンの「マズルカ」と通じるものがあります。
どちらも、素朴な音の並びの中に・・・言葉に出来ない思いや悲しみ、憧れや絶望が詰まっています。


1音1音に拘って、大事に大事に練習しています。


自分の中で、今までの自分の演奏では納得がいきません。
今までと同様な演奏しかできないのなら、もう人様に聴いて頂くことは辞めようと思っています。


ソロリサイタルは?とよくお声掛け頂いて、こんなに有難い事はないと感謝はしておりますが、
あと少し、あと少しなので、どうか気長にお待ち頂ければと思います。


目指す所がハッキリ見えています。
見えているということは、努力で到達できるということの証。


地道に毎日コツコツと。


本日、8時間練習し、そろそろ終えようかというところで、
作品と一体となれる瞬間が訪れました。



シューベルトの小品を弾いていて、「ある人の気持ち」を見つけてしまいました。



絶望の中で、微かに・・・

しかし、確かに見える光



こんな世界にいたのかな・・・と



シューベルトの音の中に、見つけてしまいました。
その瞬間、一気に視界が明るくなったように、音楽が歩み寄ってきて、さらには全身を包み込んでくれました。


自分の中にある悲しみが癒されることを体験しました。




安田講堂

先日、東京大学本郷キャンパスにある安田講堂に行って参りました!
こちらの建物は、有形文化財に登録されています。⇒ウィキペディア

来年1月にこちらで演奏するのですが、安田講堂にはピアノが完備されておりません。
主催の伊東乾准教授と、調律師・名取孝弘さんとご一緒し、ピアノの移置決め・搬入経路などをご相談しました。

安田講堂は2年前に改築され、以前は絨毯張りだったのですが現在は板張りになり音響が良くなっています!
何より、レトロモダンな雰囲気、趣がありとっても素敵でした。


     14670851_1316866301659743_690859525905614000_n.jpg 

     14610890_1316866311659742_5816925617658640638_n.jpg
            現場検証をする名取さん♪

本来、音楽ホールではない会場へのピアノの搬入・調律というのは、大変難しく時間も要する作業なのですが、
名取さんは不可能を可能にする方なので・・・「2時間でやりますよ!」と笑顔で仰います。

ちなみに、私が演奏させていただく曲は、
ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」より第18変奏のみですが、
芸大生・院生の皆さん&東大生の混合オーケストラとの共演で、ピアノコンチェルトです!!

     
               トリフォノフさんの演奏♪

愛のあることば

「シーモアさんと、大人のための人生入門」という映画が公開されていますね!⇒ 公式サイト

音楽家の間でも、話題になっていますが・・・

なんと!!はるか昔・・・正確には10年前!!
私の愛読書としてブログでご紹介した本 「心で弾くピアノ」 の著者さんでした!⇒ 10年前の記事

(セイモアがシーモアという発音表記になっていたので、あれ?と思いましたが、同一人物です・笑)


生徒が音高に受かった時にプレゼントしたこともある、この本。
愛のある言葉に溢れていて、初めて読んだときの印象は「慈愛」でした。
今、この時代に、彼の姿、生の声が映画化されることに喜びと安心を感じます。




わたくし、予告編だけで、バカみたいに号泣してしまいました。
彼の笑顔と笑い声だけで、琴線に触れてしまい瞬間涙。。。

シューベルトの音(D946-2)に、涙。。。

シューマン(幻想曲3楽章)で、もうとめどなくTT


これから映画館に行きますが、予告編だけでこのあり様な私が、どうなってしまうのか。
出来る限り、ノーメークで行こうと決めました。



『悲しみの音色はいずれ、美しいハーモニーになる。』
『じぶんの心と向き合うこと、シンプルに生きること、成功したい気持ちを手放すこと。
積み重ねることで、人生は充実する。』 シーモア・バーンスタイン ⇒ シーモアさんのことば

竹久夢二さんとのご縁




先日、石川県の金沢湯涌夢二館にて演奏して参りました!
こちら、金沢の湯涌温泉に夢二が通っていたことを記念して建てられた美術館です。

当日は北陸地方の新聞記者さんや、TVカメラも入られていました^^♪

大正ロマンを代表する画家で、主に美人画で有名な竹久夢二ですが、
彼は詩も沢山書いており、様々な作曲家が、その詩に音楽を付けた歌曲が残っています。
楽曲をイメージした表紙絵が描かれた楽譜(セノオ楽譜)があり、そちらも美術館に多数展示されています。


私がお世話になっている音楽事務所のプロデューサー大島さんは、夢二に魅せられ・・・
彼に基づいた作品を集めたCDを、なんと3枚も世に出しています。
記念すべき1枚目は夢二作品と共に、大正ロマンの時代に流行った曲を集めたCD.。

こちらには、私も伴奏者として携わっています。
アマゾンで購入できます!
こちら

今回ご一緒したソプラノの松原典子さんは、
セノオ楽譜表紙絵による歌曲を集めた、2枚目のCDで歌われています。
こちら




音楽家である自分が、こうやって絵画の世界とご縁ができることの不思議。


実は、こちらの金沢湯涌夢二館の学芸員さんが、ご一緒したソプラノの松原さんの御親戚だったり・・・
事務所の近隣に、夢二の血縁者の方がお住まいだったり・・・


偶然にしては凄すぎる、鳥肌立つレベルのご縁の連続(笑





今回はCDからの抜粋で演奏しましたが、どの作品も大正時代の日本で作られたとは思えない、
斬新な音がつけられています。
技術を必要とする曲ばかりで、当時一般的に流行らなかったのも納得な作品たちです(笑)
そんな、技術と感性を必要とする作品を、ソプラノの松原さんが見事に表現!
言葉に情感が乗って、聴く人に深く浸透するお声をお持ちです。





会場のピアノも素敵でした。

太田館長様はじめ、学芸員の川瀬様、スタッフの皆様、お世話になりました。
お陰様で、大変気持ちよく演奏できました。

ありがとうございました!

上手く弾くことより大切なこと

数年前より、東京大学の作曲指揮研究室・・・という、大変珍しい研究室で、
演奏助手を務めさせて頂いています。

現役の東大生の皆さんだけでなく、様々な大学の学生さん、
また、同じく演奏助手のソプラノ歌手さんや、芸大の弦楽四重奏の皆さんとご一緒する機会もあり、
毎度新鮮な時間を過ごしています。

先日、ゼミ合宿が行われ、特別ゲストとして作曲家の 新実徳英先生 をお迎えしました。

先生が教室に到着すると同時に、学生さんと共に、新実先生がお書きになった合唱曲を演奏しお出迎え。
そして、先生の作曲に強い影響を与えたラヴェルの作品を、芸大生が演奏しました。
私も、新実先生のピアノ作品「かみさまのいろいろ」から数曲演奏。


先生の講義でのお話は、愛情に溢れていて大変に素晴らしく、

上手く弾くことだけに一生懸命になって、大切なものを見失っている
(見失っていることに気付いていない)
10代20代の若き音大生たちに聞いてもらいたい!と、強く強く思いました。


講義ではいくつかのキーワードがありました。


波動 共振 感動 一音成仏 宇宙 螺旋


ある旋律を聴いて、感動する人がいたら、
それは、音楽と自分自身の間に起こる波動が *~共振 ~* したということ。


それを感知できた、「あなたが素晴らしい!」ということ。


以下、先生がお書きになった著書より、抜粋します。
私も常日頃、先生と同じようなことを思っており、新鮮なお話というより、とっても安心し、思わず涙が出そうでした。

---------------------------------------------------------------------------------

音楽はあくまでも人の営みであり、技術や方法論なしには一歩も進むことができないが、
それを超えたところで、あるいはそれ以前の問題として

音=色彩=意味について考えてみなければならない。

それが音楽を根本的に捉え直すことに真っすぐ繋がっている と私は思う。

----------------------------------------------------------------------------------

ある音楽を 「理解する」 というとき、
それはその素材や構造などの全体像を把握して理解するというのではなく、
じつは そのすべてを直感する、 そして 「愛する」 ということ。


より深くその存在の奥へと分け入っていく、その手掛かりは・・・
つまるところ 「愛」 なのである。

----------------------------------------------------------------------------------

音の魔術

        


バレンボイムさんの、とても素晴らしいマスタークラスの動画です。
受講生がランランというのも凄いですよね(笑
この動画はマスタークラスの最後の質疑応答での模様で、日本語訳付き!


バレンボイムさんの弾くベートーヴェン、特に後期の作品、音が慈愛に溢れていて大好きです。


物理を超える、クレッシェンドする音

《音の魔術》


奏法のこと(魔術=魔法の正体)については触れていないですが、
ホロヴィッツに言われたという「強い意志、音に意欲を持て」という話、素晴らしいです。


この気持ちは、その人の人生経験や感受性によるものが大きいので、教えることが難しいということも。


        


実際のマスタークラスの動画も是非。
しつこいですが、受講生が音大生などではなく・・・ランラン

ちなみにランランの演奏、というか演奏の性質?は大いに好き嫌い・・・賛否両論ありますが^^;
彼も魔法を使っています(笑