指が回らない!と悩んでいる方、指を動かせば動かすほど、弾けません!!

奏法についてのお話
08 /16 2017
これは小中学生の生徒さんのみならず、大人の専門家の方にも言えるのですが、いわゆる速い曲や、速いパッセージ。16分音符や細かい音のフレーズですね。そこに差し掛かると、指の周りが悪い、固くなってしまう、上手く弾けないという悩みを持つ方が多いことを、レッスンの中で実感しています。

「指が回らないんです」と、一生懸命指を動かして弾こうとされるのですが、その「指を動かす」行為そのものが、弾けなくさせている原因なんです!言い方を変えますと、指を回そうとするから、弾けないのです。

難しいことは考えず、まずは指がバタバタと暴れない状態にしてしまうのが早いと思います!奏法のことを書いたカテゴリーもご参照ください→奏法についてのお話。基本的な土台になる手のフォームを、まずは作ってしまいましょう!


このフォームにした時に、手のひらを含め、指全体が根元からグイっと集まるようになっていたら正解です!

①手首下側の支えを常にキープする。
②最初の頃は、意識的に手首を高くして、手のひら全体を感じて弾く。
③1指側の支点(1指の付け根&1・2指間の筋肉)と5指側の重心の、両バランスを常にキープ。→V字の筋肉
④2-5指、手のひらの第3関節のスポットにある筋肉(虫様筋)を寄せ、1,2ミリ持ち上げる感覚を常に持つ。

鍵盤に触れる前から、このフォームをあらかじめ造ることが重要です。

その状態で鍵盤にもたれるように入っていく・・・↑
または鍵盤にもたれてから引き出すように・・・↓


手首の下側で支え、手のひらにある必要な筋肉(レッスンでお伝えしています)をピンポイントに意識し、それらを支えとし、腕の重さを乗せることによって演奏するのですが、これができるようになると、指の動きが圧倒的に減ります。そして、筋肉を使うことによって、手のひらの支えが生まれ、それが直結している指に繋がり、手全体の安定が増すのです。ほとんど手のひらで弾くような感覚ですので、これが実際にできると「弾いてないみたい!」「何もやってないのに、弾けた!」という感覚を覚えます。

これを知ると、「指が回らない」という発想そのものがなくなります。

なぜなら、指を回す必要がないので(笑)
あえて言うなら、「指が回らない、指の動きが悪い」のではなく、「指の安定が得られていない」という表現になると思います。
それは必要な筋肉(屈筋)が育っていない場合と、脳が認識してくれていない場合が殆どですので、時間をかければクリアできることです♪他の理由としては、重心が上がってしまっていたり、どこかを不必要に緊張させていないか・・・全ては体全体の連携です!

重心を丹田に落とす→→→呼吸が深くなる

奏法についてのお話
08 /10 2017
「緊張している」 という状態を、「あがる」と言いますが、体的に見てみると、本当に上がっている事がわかります。
ではでは、いったい何が上がっていると思いますか??

それは、重心です。

重心が上がっていることで、呼吸が浅くなり、呼吸が浅くなると心がザワザワしてきます。これはまさに、緊張状態。
また、重心が上がると、上半身が力んでしまうので、肩が固まって上げたままになってしまったり、腕や手首、手自体が緊張を起こし、思うようにコントロールが利かなくなります。

ということは、逆の発想で、あらかじめ緊張しない体の状態にしておけばいいということです!
すなわち、重心を下げておけばいい。

では、どこに重心が来ると、体はうまく機能するでしょうか??
それは、おへその5センチほど下。そして、お腹の中5センチほど入った所。

丹田です。

        丹田

ピアノ椅子に座った状態での場合、「姿勢をよく!」と思いすぎて、背筋を沿ってしまうことがあるのですが、その状態も重心が上がっているので上半身に力みが生じます。

上がっている重心を下げる方法。
以下のことをやってみてください!

①お腹を落とす(おへそを下げるイメージ)

②背中を感じる(胴体を広げるイメージ)

③左右の肩甲骨の間を広げる、緩める


この3つを意識してやってみると、肩の力が抜けることを体感できるはずです。
上半身が楽に解放され、呼吸がしやすくなったことに気付くはずです。


「重心が常に腹に落ちている=腹が座っている=丹田に落ちている」

この状態で演奏すると、いわゆる重力奏法が素晴らしく体現でき、響きをまとった音、よく通る音を楽に出すことができます。(もちろん奏法を学びながら♪)

何より、呼吸が深くなることでリラックスでき、脳にも余裕ができるため、緊張から解放されます。
結果、パフォーマンスの向上に繋がります。

ピアノを習われている皆さんは「呼吸して!」と指摘されることが多いと思います。と同時に、呼吸の仕方がわからないという方も。このことも重心に関係していますので、是非上記の方法をお試しくださいね!
重心が上がっていると呼吸は上手くいきませんので、是非、重心を丹田に落として、深い呼吸を体感してみてください。そこから、自然と音楽の呼吸に繋がっていくことを実感できるはずです。

今の指導、どうですか?

奏法についてのお話
07 /22 2017
皆さん、ピアノを弾く際の手の形はどうなっていますか?どのような指導を受けていますか?

手の中にタマゴが入るように
手を丸くして
指を上にあげてから
指先を立てて固定して

ぜーんぶ、NGワードです(T-T)

特に小学生の皆さん!幼少期(4歳から5歳)にピアノを習い始め、この弾き方で行き詰まりを感じ始めるのが9歳から10歳頃のようです。私の元にご縁があって辿り着いた生徒さん(親御さん)は、この行き詰まりを、「弾き方に問題があるのでは?」と気付かれた方ばかりです。

日本での指導は、未だに古い奏法が蔓延している事を実感しています。間違った奏法、それは弾き辛く、、何故弾き辛いかというと、体に合っていない弾き方だから。実にシンプルなんです。

その間違った奏法を教えている教師が多すぎます。。もう、本当に。。実際、先生自身が、その弾き方で上手く弾けているのでしょうか?いわゆるバッハ モーツァルト ベートーヴェン ショパン ドビュッシー などのきちんとした作品を、その弾き方で美しく流麗に弾けているのでしょうか?

そもそも、子供向けの教本は、何のためにあるのでしょうか?

いずれは、たくさんの名作曲家が残した素晴らしい作品を演奏するためですよ。そのための準備として、教本や子供向けの作品があるのです。その段階で教える(教わる)奏法が、後に繋がるのです!基礎なんです!!重大なんです!!!

本当は楽に弾けるものを、教師がその知識と技術が無いために、弾き辛いスタイルを押し付け、生徒がなかなか弾けないのを見て、やれ練習が足りないやら才能がないやらと、見捨てる。。これって、恐ろしくないですか?私からしたら犯罪ですわ(笑)ハッキリ申し上げて、弾けない人が、弾けない人を増やしているのでは??(T-T)(T-T)(T-T)


たくさんの情報が溢れるこの時代。何が正しくて、何がおかしいのか、自らキャッチする力が必要です。

気付く人は、気付いています。
今まさに、そういう新たな時に入っていると感じます。


私は、気付かれた教師側の皆さん、生徒側の皆さん、それぞれの立場にいる方にレッスンしています。ご縁のある皆さんが、自らが弾きやすくなり、いい響きを導き、今まで苦手だと感じていた色々が得意になり、好きになり。それらの全ての発見と体感を、広めていってほしいと願います。

そもそもロシア奏法って?「従来の奏法との違い」「誤解された脱力」「本当の重力奏法」

奏法についてのお話
03 /27 2017
最近、生徒さんを教えていて色々気が付いたことがあり、それがある程度まで膨れ上がってきましたので、今年度の締めとして、ここに報告します(笑)今現在習っている方はもちろん、「ロシア奏法・重力奏法」というワードからこのブログをご覧になっている方も、是非ご一読頂ければと思います。と同時に、文章で記すことの限界も感じています。本やブログなどの文字情報の通り真似てみたとしても、残念ながら推測ベースであることも、レッスンの中で明らかになっています。実際にこの奏法で演奏しているピアニストやピアノ教師の丁寧な指導の下、自ら体感、実感し、継続することが全てです。


♦ロシア奏法(重力奏法)とは♦
多くの一流ピアニストが身に着けている演奏法です。(ロシアの作品のみを弾くための奏法ではありません。そもそものピアノの弾き方・技術です。)身体にとって自然で、かつ合理的な骨の動きと、それを支える筋肉を使う演奏法です。レガートを基本とした美しく歌うような音が特徴です。コントロールの利いた繊細なタッチで、豊かで深い響き、遠くまで届く研ぎ澄まされたピアニッシモ、多様な音色を生み出す奏法です。ホロヴィッツ、アルゲリッチ、プレトニョフ、ソコロフ、ガブリロフ、ダン・タイ・ソン、キーシン、ラン・ラン、トリフォノフなど多くの一流ピアニストがこの奏法です。(国籍は関係ありません)


♦従来の奏法との違い♦
従来の日本の音楽教育現場に流通している「指弾き」(ハイフィンガー)は、指の関節を固めて、まず指を持ち上げてから落とすという弾き方です。出てくる音の特徴としては、とても硬い音、そして音色の変化がありません。この弾き方は、指の運動量が異常に多く、指に頼った「指主体」の弾き方です。人によっては指が弱い、回らないと指摘を受け、自分は技術がないんだと思ってしまったり、長時間無理な練習をして故障を招くこともあるのです。

対して、レッスンでお伝えしている ロシア奏法は、指を持ち上げる筋肉「伸筋」を使わず、物をつかむときに使う「屈筋」で弾く奏法です。この奏法は、上腕の重さを利用した重力奏法にも基づいています。指の上げ下げを行わないので、結果として指の運動量は軽減されます。とても楽で、疲れず、まるで弾いていないような感覚になります。従来の弾き方と比べ、指が安定します。細かい音が流麗にクリアに弾け、なおかつ、レガートで歌う響きや音色のコントラストをつけることができるのです!


♦脱力の間違った解釈♦
ピアノの教育現場では「脱力」が永遠のテーマとされています。最も大切なことは、「どこを脱力するか」にあるのですが、、、レッスンに来る生徒さんの多くが、間違った場所を脱力をしている事に気が付きました。(ここでの脱力とは「ピアノを弾く上で有効に働く脱力」ということです。)

例えばとして、

1.手首を脱力し、指の関節を固めて指の上げ下げで弾いている状態⇒鍵盤を押し込んでしまう⇒響きが潰れます。詰まったような音になりますし、全く表情が付きません。音色のコントロールも不可能です。

2.手全体を脱力して弾いている状態⇒鍵盤の押し込みはありませんが、キースポット(鍵盤の深さ1センチの中にある音が鳴るスポット)を捉えられずに、音が浮き上がってしまいます。指と指の隙間から音が漏れていくようになり、音の密度が低く、芯の無い浮いた音に聞こえます。


正解は、支えと脱力の関係にあります。
では、その「支え」とはどこか?どこを「脱力」するのか? (「支え」は緊張や固定とは違いますよ!)


♦本当の重力奏法とは♦
重力なんだから、とにかく重さをのせればいいんだな!というのは間違いです。鍵盤には自動的に戻ってくる浮力があります。その浮力を利用して弾くのです。
『鍵盤を押し込まず、しかし、浮き上がらずに弾く』わけですが、これを成すには、上に記した『支えと脱力』のテクニックが必要です。

インナーマッスルを使います。中でも手の安定を目指すには《手のひらの筋肉》と《前腕の内側の腱の支え》が必要です。この《屈筋と腱》が育つと、手が安定し、指の繊細なコントロールが可能になっていきます。この安定により腕の重みを支えるのです。「上腕の重みを自然に落としつつ、前腕の下側と手の中で支えているという状態」=「脱力と支えの関係」 これこそが、本当の重力奏法です。


♦耳の意識♦
そして、これらのことと同時に、「耳の意識」を変えていきます。自分の出す音全てに耳を澄まし、耳で音を追っていく習慣をつけます。身体のコントロールと、耳をどう使うかは、常にセット。少しづつ使うべき筋肉や腱が発達し、音色が変わっていく段階で、耳もそれを追い求め変化をしていきます。不思議なことに、耳に意識が行くと、身体の無理な緊張が解け、いわゆる「ピアノ演奏にとって有効な脱力」が成功するのです!

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奏法について触れている過去の記事を、ひとつのカテゴリーにまとめました。
より細かく、詳細に書いています。⇒奏法についてのお話

解剖学的にからだの構造を知る(重力奏法を学ぶ前に)

奏法についてのお話
12 /11 2016
いきなりですが・・・

右手の、手のひら側から見た《骨の構造》です。

どうぞ注意深く、よく見て下さいね!

自分の手を見てみるとわかる、手首と手のひらの間にある、こんもりとした部分。
そこはたくさんの骨が集まった「手根骨」。
その先の、ちょうど手のひらにある「中手骨」、こちらも指の骨として認識します。

手首からが指です

ここがまず、ポイントです。

腕の重みを利用する重力奏法は、手首から弾く感覚が重要です。


        手の骨



手の骨の構造、何となくイメージできましたか?


そうしましたらお次は、骨の周りにある《筋肉》を見てみましょう!
右手の、手のひら側から見た解剖図です!

    手のひらの筋肉

手にはたくさんの筋肉があり、それぞれの役割が分担されている事が分かります。
それと同時に、《指には筋肉が無い》ことがわかりますね。

というわけで、日本で流通した教え、「指が弱い!指を鍛えて!指を独立させて!」というアプローチは、
残念ですが根本的に間違っていると言えます。。
間違っているというのは、からだにとって無理があるということです。
演奏の向上云々の前に、手を壊してしまいます。

過去の記事 にも書きました。


ここで具体的に、手のひらの筋肉の中から、「虫様筋」というものをピックアップしてみます。
上の解剖図から、虫様筋のみが描かれた解剖図です。
ご覧の通り、指の腱に沿うように付いていますね。
この筋肉は指の根元の関節を、手のひら側に曲げる筋肉です。
一流のピアニストはこの筋肉が発達しているそうです。

        虫様筋


世界の一流ピアニストが繊細に音色を使い分けるのは、この筋肉を使っていることがよく分かります。
私自身も奏法を変えてから、手のひらが分厚くなり、結果として指のコントロールが利くようになってきました。
蓋を開けてみれば、これらの筋肉が発達してきたということなんですね。

そして重要なのは、手は独立した筋肉を持つわけではなく、前腕の筋肉の動きが、手首→手のひら→指に腱で繋がっているということです。

音色はスピードが決める

奏法についてのお話
05 /23 2016
先日、生徒さん(大人)を集め、弾き合い会をしました!
ショパンのノクターンのいずれかを準備してもらい、弾いてもらいつつ、お互いに遠慮なく気付いた所を発言していく流れ。

音色と響きのコントロールにポイントを置き、レッスンさせて頂きました。


出したい音色を出すには・・・
鍵盤に触れる際【スピードと質量】をどう使い分けるかで決まります。


スピードとは、打鍵のスピードの事。

鍵盤の深さは約1センチですが、速く入って遅く到達するのか、遅く入って速く到達するのか・・・など
鍵盤深さ1センチの間で行う、究極ですが、実にシンプルなテクニックだと思います。


上記のことと同時に【自分の音を聴けているか】常に注意深くあることが大事ですね。


気を付けたいのは、どのあたりの音を聴くかなんですが・・・
自分の手元の響きではなく、 斜め上方の空間に到達した響き を聴きます。

イメージとしては 耳を遠くに置く 感覚です。


これを意識するだけで、響きのスケールがグッと広がります!!


そして、ショパンは特に、響きの混ぜ方に弾き手のセンスが表れます。
絵画に例えるなら、絵の具が何色か混ざって表現されている感覚でしょうか。
逆にバッハやベートーヴェンなどの場合は、それぞれの色の輪郭を見せるような感覚。


クラシック音楽を学んでいると、絵画や料理など、他の創作の世界と共通するものを感じます。
表現力はある種、イメージする力、想像力なんだな~

生まれ変わったピアノ

奏法についてのお話
05 /11 2016
最近、レッスン室のピアノが生まれ変わりました。

心から信頼のおける、コンサートチューナーとしてご活躍の調律師・名取さんに、5時間かけて整音・整調、徹底的にやって頂きました。

結果、響きの到達スピードがアップしたため、鍵盤の重さは変えていないのに、鍵盤が軽くなったように感じるのです。
「絶対的ではなく、相対的に変えました。」と仰っていました^^♪

ピアノの状態がアップしたということは、音色の幅が増えたということ。
すなわち、表現の可能性が広がったわけなので、より一層タッチに対して意識を払う必要があるということです。
「ピアノの持つ可能性を引き出すのは演奏者次第」ということを、レッスン室のピアノでも体現できるなんて!
「生徒さんが自宅で再現(レッスンで出せた響きを)するのが大変になってくるね。」とも仰っておりましたが、こればかりは耳の記憶として残して頂くしかないですね。
ご自宅のピアノが良い状態(鍵盤の返りが良く、倍音が豊富に出る)でしたら、問題はないかと思います。


新しく生まれ変わったピアノを弾かせてもらい・・・


「全ては打鍵のスピードと、瞬間の脱力、これにつきるね。」

「自由自在に自分の求める音が、瞬間的に出せるような状態になったでしょ?
だから、今まで以上に、自分の出したい響きを強くイメージしてから弾いてごらん。」

「指の力はいらないよね。鍵盤の浮力を利用すればいいんだから。」


出てくるキーワードが、まさに、ロシア奏法そのものではないですか!!


ピアノを熟知した調律師さんならではの視点。
ピアノが最も美しい音を出す方法を、楽器の構造から知っているわけですよ!
(実際名取さんがピアノを弾く際、吸い寄せられるようなタッチで、倍音豊かな響きを出されますっ!)

この奏法が、ピアノが持つ可能性、音の美しさを最大限に導く弾き方であること。
ピアノの構造を利用した、体にとっても楽器にとっても合理的な奏法であるということの裏付けですね!



「打鍵のスピード」と「瞬間の脱力」
響き(倍音)が多彩なピアニストは、とにかくこのスピードが速いのです。一瞬です。
鍵盤に吸い寄せられるように指を下した・・・瞬間!脱力しているのです。

※この話はまた、具体的に書きますね


名取さんも、古い指導による奏法、指弾き(ハイフィンガー)には疑問を持っていて、現役音大生などの演奏を聴くと、色々思うところも多いようです。
「日本は遅い。これからは奏法を変えていかないと。身体を壊したり、演奏としても限界がある。まだまだ音大内部も2分化しているね。」といつも核心に触れる話をサラッとなさいます。


私はと言えば、生まれ変わったピアノに触れ、表現欲がふつふつと沸き起こってしまいました。
そして、そんな私の脳内も、名取さんには丸わかりだったようで、「リサイタルしようね!」と言われてしまいました(笑


何はともあれ、名取さんに、心より感謝です。

まずは耳を開くことから・・・

奏法についてのお話
05 /06 2016

レッスンに何を求めて、通われるのか・・・
それは殆どの場合「奏法(テクニック)を身に着けたいから」であろうと認識しています。

現在、レッスンさせて頂いている生徒さんは様々です。
子供の頃から学業や仕事と両立しながら弾き続けて来られている方、
音楽大学で専門的に学ばれてきた方、ご本人もピアノの先生をなさっている方。


今まで意識していなかった「音を追う耳の感覚」
これを最初のレッスンから常に意識してもらいます。

楽譜の読み方も、もう一度再確認してもらいます。
「アーティキュレーション・フレーズ・ハーモニー」を頭だけで理解するのではなく、耳の感覚で掴むように。


これを疑わずに(笑)続けて頂くと、耳が開いてくるので、数回のレッスンでどんどんと上達されます。
その人の持つオリジナルがどんどんと光ってきます。
「聴く」を求める人だから、「弾く」を体現できるようになるんです。
最初は「弾き方」を習いに来たはずなのに、「聴き方」を知ったら弾けるようになるんです。


要するに「聴く」 と 「弾く」 はセット なのです。



「そんなことよりも、とにかく弾き方を!」という方がたまにいらっしゃるのですが、
耳が開いていない・聴き方を理解、体現できていない状態で、もし、奏法の指導を受けたとして・・・
その場で「弾くという手の動き」として知識を得ても、その後その人から紡ぎだされる音楽として生きてくるとは到底思えません。


果たして、その先にあるものは何でしょうか。。


もっと踏み込んで言うと、生徒さんの良い変化を見て、レッスンが進行しているからこそ、
「弾き方」をもっともっとピンポイントにお教えしよう!と ~自然に~ 思うのです。
いきなり何の段階も踏まずに、「答え」のみを教える教師がいるとしたら、私はそちらの方が謎です(笑


「前と同じ曲を弾いているのに、別の作品のよう!」
「気に留めていなかった内声部の旋律が聞こえてくる!」
「今まで頭ではわかっていたけど、音に表せていなかったことに気付いた!」
「心が解放されて、ピアノを弾くことが楽しい!」
「ショパンの音、バッハの音、ベートーヴェンの音、モーツァルトの音、理論だけでなく、
音として、求められるタッチの使い分けを知った!」


このような声を聞くと、私も本当に嬉しいですし、お役に立ててよかったと思える瞬間です。

フレーズの細切れ「本当のレガート奏法とは・・・」

奏法についてのお話
03 /22 2016
最近思うのですが、ピアノのレッスンって、ある種の治療院のようだなと^^
「これこれこういう症状があるので、治したいです!」という方もいらっしゃれば、
「どこが悪いのかわからないけど、なんか調子が悪いです。」という方。
教える側としましては、原因をすぐに見つけることはもちろん、
帰る頃には、ある程度のスッキリ感を持ち帰って頂く事が重要だと思っています。

で、最近共通の症状が各々の生徒さんに見受けられたので、ここに残しておこうと思います。
何かと言いますと・・・

フレーズが途切れてしまう症状

1音1音の響きは意識できても、その1音の響きが次の1音に繋がっていかない。
例えば4小節の長いフレーズがあるとして、、ひとつのフレーズにしたいと頭では思っていても、
手の使い方が影響し、フレーズが細切れになってしまうのです。


この症状を引き起こしている原因が、皆さん一緒だったのです。
3つあります。

①「閉じた耳」。
音の発する瞬間を大事にするあまり、その後に伸びている音を聴いていない状態です。
音から音への繋がり、「間の響き」を聴くように。

②「フレーズと関係のない手首の上下運動」。
1音1音、手首の支えを無くして上下に揺らして弾く癖が影響し、支え(柱)を毎回新しく立てていくような状態になっている。
響きが繋がらない・・・結果、フレーズが続かないのです。

③「手の中の支点が、一か所に固定されている」。
手のひらの中心に支点が固まりとどまっている状態になっています。
柔軟性が大事ですので、固定する感覚は解いていくように。


ロシア奏法は「レガート奏法」ですので、3つの症状を改善する必要があります!
改善点を簡単に記しますね。


①「耳」に関して・・・
フレーズが分断しやすいと感じるのは、持続音(伸ばした音)の後(上行下降共に)です。
耳を相当に開いて、鳴った音の伸びて行く先を聴いて下さい
ピアノは音が減衰していく楽器ということもあり、持続音の先にある音に繋がるイメージを持ちづらいのかもしれませんね。
ですが、ピアノという楽器は弾き方次第で、持続音の伸びも全く変わってきます。
実をいうと、ピアノも、響きでクレッシェンドすることができるんですよ^^


②「手首」に関して・・・
手首の柔軟性は必須ですが、常に支えている状態です。
適切な指導の下、努力を続けていれば、感覚が掴めてきます。
上腕を少し前に出すようにすると、自然に手首が高くなります。
手首が楽になるのを感じるでしょう。


③「手の中の支点」に関して・・・
手首の支えを作り、手の中の支点を、弾く指音の進行方向に応じて移動させます。
よく見られるのが、前の音に支点を残したまま次の音を弾いてしまう状態。
この状態の時は、音に響きが生まれません。
詰まったような音、と言ってよいでしょうか。。。
手の中の支点は、手首の支えのある中で、常に動いています。



上記3つとも、セットで意識して下さいね!
文章で書くのはこの辺りが限界かとも思われますので、あとはレッスンで解消させて下さい(笑

是非、息の長いフレーズ、本当のレガートを目指して・・・

鍵盤から音を引き出す

奏法についてのお話
03 /12 2016
ウクライナ出身のピアニスト、オレグ・ポリャンスキーさんによる、
公開レッスン&講座&コンサート「美音が見える!奇跡のロシアンピアニズム」に行って参りました。
主催は、ポリャンスキーさんの音色に憧れ、実際にレッスンを受けていたというピアニストの菊地裕介さん。
日本にはびこる非合理的な奏法を脱し、ロシア奏法をもっと普及させたい!
という強い思いから企画されたそうです。


ポリャンスキーさんの音!

玉のような音!!


素晴らしかった。


奥行きのあるピアニッシモ!透明度の高いピアニッシモ!!容量のあるピアニッシモ!!!
一体何種類、何色のピアニッシモを持ってるんだ!?というくらい、実に多彩。

もう相当に引き込まれました。


そんな素敵なピアニストに、公開レッスンを受けた4人の生徒さん。
具体的に、この奏法の手や腕の筋肉の使い方、支えのポイントなど、ピンポイントな指摘があるかな?
と期待しておりましたが、残念ながら奏法からアプローチしたレッスンではありませんでした。

ある生徒さんに「脱力が出来てないから、音が直接的になってる」と指摘されたので、
「おっ!身体の使い方の話に行くか!?」とワクワクしたのですが、その先に話は進みませんでした。。。


なんでだろう


基本的には作品の解釈、譜面の読み取り方、作曲家ごとに求められる音の質の違いなど。
若い生徒さんには、オペラやオーケストラ作品を見聞きしたり、詩を読みなさいなど、
ごく一般的にレッスンで話される内容でした。

なかなか音が響かない生徒さんには、何度も何度も先生が弾いて聴かせて、
生徒さんの耳を開かせようとされていました。

その音の美しいこと。

ですが、具体的に「そのような響き」を出すためには、体のどこをどうすればよいかが生徒さんが知識として
持っていないと、その場で具現化することは困難であることを感じました。
「せんせー!!肘が固まってるとか、前腕の重みが乗ってないとか、言ってあげればいいのに!」
などと、心の中で叫んでいました(笑


最後まで先生は、奏法の具体的なところは開示して下さりませんで^^;

ちょっと残念。


いや、かなり残念。。。


菊地さんも奏法の話を引っ張り出そうと頑張って下さいましたが、ポリャンスキーさんはその後の演奏に
意識が行っているためか、少々ナーバスになっており、とうとうロシア奏法の秘密の扉は見事に閉ざされました。。。
奏法が知りたければ、私の門を叩きに来なさい・・・ということなのでしょうか(笑


しかしながら今回私は、この奏法に関する自分の知識を再確認。
ポリャンスキー先生の手元を見ながら、研ぎ澄まされた美音が一体どのように出されているのか、
何をどうやっているのか。
「わかる」という、この安心感たるや。


最後にポリャンスキー先生のリサイタル。
朝から公開レッスンと講座が続いた中で、最後にリサイタルって、本当に凄いなと。
先生の魔法のように繰り広げられる音に引き込まれっぱなしでした。

ピアノって本来は減衰音なのですが、まるで持続音のような状態になるんですね。
音に倍音が伴ってるから。

ひとつの楽器から、いろんな音が聴こえてきて。
まさに、ひとりオーケストラ。

打鍵のスピードが速いので、響きが何の滞りもなくポーーーンとどこまでも飛んでいく。
本当に素晴らしい。

先生がしきりに仰っていた「ポリフォニーの概念」
全ての声部のキャラクターを明確に明瞭にすること。


日本人に多い、「鍵盤に向かって弾きに行く」弾き方
鍵盤をゴールにした弾き方で、鍵盤に当たっていくような感じになっている。
そうすると音が直接的だったり、固かったり、色が無かったりする。

そうではなくて・・・

「鍵盤から音を引き出す」



これですよ、これ!!


この言葉に、あの美音を導くテクニックのすべてが詰まってる。
まさに、ロシア奏法ですね。

拍を透明にする(ショパンを弾くときのお話)

奏法についてのお話
03 /02 2016
私が普段から最も深く興味を持ち、最もよく弾いている作曲家は、ショパンかもしれません。

もともと感覚的に音楽をとらえていた学生時代(正確にはアラサー時代まで。。。)
たまたま自分の感覚がショパンと合っていたため、無意識に直感的に、
思うままに自然に弾いても、それなりに形になっていたといいましょうか。

そんな感覚派の私ですが、やはり教える立場に立った時は、そこに「理論」を持っていないと
うまく伝わりませんし、説得力に欠けます。(話すより弾いて見せたほうが早い場合もありますが^^)


生徒さんにレッスンする中で、明らかになっていることのひとつ。
そこを理解し表現しない限り、ショパンにはならない!ということのお話し。


「言葉」に例えるならば、イントネーション や 文節 が音楽にもあります。


それは作曲家によって異なるので、各々の作曲家の語法を知っていないと、
演奏することはもちろん、指導することも出来ないわけですが。

特に、ショパンの作品に強く感じます。
「ショパン語法」 とでもいいましょうか!



 ~強拍と弱拍~ 


ショパンは 弱拍から フレーズを感じます。

強拍からではありません。
弱拍から次の強拍に向かってフレーズをかける。
こうすることで、回転が生まれて、音楽が流れ出すのです!
これは、旋律・メロディの取り方はもちろんなのですが、重要なのは左手・伴奏形にあります。



 ~縦と横~

もうひとつ大事なこと。
縦で繋げるのではなく、横で繋げる音楽。

縦の柱で築き上げる音楽の代表と言えば、ベートーヴェンでしょうか?
ショパンを弾くときに、この感覚で音楽を作っていってしまうと、
残念なことにショパンさんは、弾き始めた瞬間にそっぽを向いてしまいます^^;


ショパンを難しく感じる。
ショパンが弾きづらい。
なんかぎこちないショパンになってしまう。。。

と思われている方の大半が、上のふたつに原因があるように感じています。



拍に柱を立てない この感覚。


理屈では上記のようなことなのですが、奏法という視点で言えば、
結局は「響きで繋げる」ということなんですね!

響きで繋げていけば、自然にそうなるように出来ているのです。
ショパンは特に、歌うように自然に、美しく発声するかのように弾くことで、自然に柱や杭は見えなくなってくる。


柱が無いわけではないんですよ^^
音楽の「拍」とは、建築物における「柱」です。
柱のない建築物は倒れてしまいますから。


あくまでも、「拍を透明にする」 のです。


これこそ、ロシア奏法・ロシアピアニズムの根底に流れていることと痛感しています!

手の中をいかに使うか・・・(奏法を変えるということ)

奏法についてのお話
01 /18 2016
お久し振りに、奏法のことをお話ししたくなりました。
生徒さんに伝える中で、確かな手応えを感じてきているから、というのもあります。
そして何より、「弾き方を変えたい!」というお気持ちを持っている方が実に多いことも、よくわかりました。

いわゆる、指をバタバタと上げ下げするハイフィンガーと言われる弾き方。
(実際にはハイフィンガーでもなく、ご本人の弾き癖のようなものの場合が多いです。。。)
「これをやめたいんです。。。」という方々。


最近のレッスンで、習い始めの小学生の数人の生徒さんに言ってみました。

「指先を上げ下げバタバタしないで、指は鍵盤にそっと触れるだけ、なでるように指先を集める。
そのかわり、手のひらの中!ここを最大限に使ってみて!あくまでも手の甲ではなく、手のひらね!手の中だよ!」


上手く伝わるかな?
と思いましたが、本人の手に触れ、サポートする中、見事成功。

やはり、子供は反応が早い!!
素晴らしいですね^^


最初はどうしても、指を動かしたくなるものです。
だって、そこに鍵盤があって、それをプッシュすることで音が鳴るわけですから、
押し込みたくなる気持ち、よくわかります(笑


だけど、問うてみるんです。生徒さんに。
「その弾き方で出る音を聴いてみて?本当に美しくコントロールされた音出てる?」
と聞くと、皆、一瞬考えて、、、(素直が一番・笑)

上記太字の「手の中に集める弾き方」をやってもらいます。
先ほどまでせっせと指をバタバタ、頑張って力で鍵盤を押し込んでいた子が、


手のひらに意識を移して指先は本当にそっと鍵盤に触れるだけ。


まるで魔法のようです。


指自体が普段の運動量の半分、(またはそれ以下!)で美しい音に変わって、
どういう訳か難しいと思い込んでいた細かい音が、楽に弾けたりするので、結局は納得するのです(笑


これだけで、まるで弾き手が変わってしまうんです。



ここから少々細かい話をしますと、「大人と子供の違い」です。


大人の方に関してですが、以前からの弾き方を変える難しさ、これを感じています。
個人差がありますが、完全に身体にインプットするにはかなりの時間を要します。

単純に、今まで何年何十年弾いてきたスタイル(習慣)を、一から変えるということの難しさ。
そして、一番は耳を変えること
以前の弾き方で鳴っている音の響きに慣れてしまっているために、耳のチャンネルを変えることが難しいんです。


「私はこういう響き、こんな音色が欲しい!出したい!」

「音」が先に耳の中にあって、その音を鍵盤上で探っていく強い意識。


自分自身が、「何がしたくて、何を求めて、奏法を変えたいのか」
これを常に感じてることが大事なんだなと、私自身も強く強く痛感しています。


脳が自動的に「ピアノを弾く時は、この感じ^^」と納得して下さるまで、
練習中には体の使い方と、響きに意識を集中。
これには時間と、繰り返しの本番の中での経験。

これに尽きますね。

響きのコントロール

奏法についてのお話
08 /18 2015
先日、生徒さんの発表会が無事に終了しました。

会場のスタインウェイはとてもよく響きましたので、高音域 中音域 低音域 それぞれの響きのコントロールが必要でした。

それぞれ、普段どのような環境、どのようなピアノで、どのような意識で弾いているか。
弾き癖のようなものが良くも悪しくも、明確になります。

やはり、その時その時のピアノの状態に合わせて、弾き方を変える。
響きをコントロールする必要があります。

それを成し得るのも 自分の音に耳を澄ますのはもちろん、日頃の練習で手のひらの筋肉を鍛えて、屈筋のコントロールが出来るように、要は指にあるのではなく、手のひらの筋肉にあるのです。

指を独立させて弾く奏法(ハイフィンガー)は、私は推奨しません。

手のひらの屈筋が育ち、そこに自然と意識が行くようになって初めて、指先のコントロールも可能になります。
そのピアノが持つ、1番美しい響きのポイントを探っていくような行為が可能になります。
ピアノの持つ無限の可能性を引き出せるか、私も日々楽しみながら練習しています。




写真は発表会開催にあたり、サポートしてくれた母と夫とのスリーショット!
お盆休みもたっぷり頂き、リフレッシュできました。

全ては手の中にある!

奏法についてのお話
05 /18 2015
ピアノを弾く、その時、その手はどうなっていますか??

どこを意識して、どこを使っている感覚がありますか??


ポイントを明確にして正しく身体を使えるようになれば、
豊潤で深いフォルティシモ、繊細でも遠くまで届くピアニッシモ。
音量だけの問題でなく、音色をつけることができます。


世界の一流ピアニストは、これらを自由に操っているのです。

今日はポイントを明確にするために、画像で説明しますね。
ブログなど一方的な文章でお伝えするのはとても難しく、誤解も生じやすいので、
一番はやはり対面したレッスンで・・・というのが本音ですが(笑


まず、お話ししておきたいのが、ハイフィンガー奏法と呼ばれる従来の弾き方。
指の関節を固めて、指を高く上げて弾く・・・というものでした。
この弾き方は、体に合っていない無理な弾き方なので、演奏の限界があります。
そして、とても怖いのは、腱鞘炎やジストニアを引き起こす可能性があるということです。
残念ながら現在でも、この弾き方で教え、教えられ・・・という現実もあり。。。
私はそのような状況に面すると、居ても立っても居られない気持ちになるものです。


対して、重力奏法(ロシア奏法)は、手のひらの筋肉で弾く奏法です。
身体は楽に解放され、無理のない状態で、多彩な音色を響かせることができます。


意識すべきことは  手のひらの中にある  といっても過言ではないです。


画像①
     IMG_0689.jpg  

赤のライン部分に、矢印方向から寄せ集め支えを作る。
ベージュのラインの筋肉で支えを作る。
オレンジのラインで支える。


画像②
     IMG_0751.jpg

鍵盤を下げると同時に、手のひらの支え部分(写真①赤のライン)を上げる感覚を持つ。⇒鍵盤を押し付けない

前腕の下側全体(オレンジのライン)を一枚板のように捉え、支えを作る。⇒上腕を少し前に出すと、手首が上がります。

手のひらの筋肉と、前腕の下側の支えで安定させる。⇒関節で止めない。


日頃の練習でこのことを意識してピアノに向かいます。

まるで魔法にかかったかのように、速いパッセージが楽に弾けるようになったり。
それまで詰まったような、響の無い音になっていた人は、必要な筋肉と支えが育った途端に豊潤で深い音がだせるようになります。

ピアノという楽器で、最も扱うことが難しく、最も大切なのが「弱音」「ピアニッシモ」です。
必要な手のひら筋肉が育ちますと、この「弱音のコントロール」が可能になるのです!
決して弱々しい小さい音ではなく、芯のある研ぎ澄まされた、極上の響きです!!

奏法の話は、また気付きがあれば書きたいと思います。

ぶれない体幹づくり

奏法についてのお話
04 /19 2015

ピアノだけでなく、スポーツ全般、バレエ、舞踏などすべてにおいて、
「不必要な力みを解いて脱力すること」の必要性は切り離せないことだと思います。
ですが、その脱力は、インナーマッスル、体幹で支えなくては、本当にぐにゃぐにゃ。
脱力ではなく、だらっとしている・・・^^;状態になってしまいます。

バレリーナが表現としてしなやかで柔軟な肢体で私たちを魅了させてくれますが、
あの方達の軸、体幹といったら、本当にもう揺るぎのない努力と積み重ねの賜物。

サッカーのプレイヤーを見ていても、世界的名選手と言われる方ほど、体の軸がしっかりしていて、どんな状況でも重心が全くぶれない!なのに動きが俊敏!!

フィギュアスケーターの演技を見ていても、既にジャンプの前に成功するか失敗してしまうか決まっている感じがします。
妙に力んでしまっている時はやはり崩れますし、逆に軸のポイントが定まりきらないままでジャンプをする時も、上手くはいかないようです。
ところでこのフィギュアスケート、本当にピアノと似ているなと常に思います。
技術と表現の融合で成せる世界。
採点が、技術点と芸術点?に分かれているんでしたっけ??
なんか、こういう感じも、まるでピアノで言ったらコンクールのような。。。
このような採点って、どうしても主観が入ってくるし難しいですよね。


ピアノの話に戻りますが・・・
レッスンで使用している教本の話です!


     使用教材

日本では発売されておりません。
モスクワ音楽院付属中央音楽学校などで使われているピアノ教本です。
画像はドイツにて翻訳販売されているものです。
バロック・古典・ロマン・近代、全ての時代を網羅したピアノ曲集で、ロシア民謡やドイツ民謡、日本の教本では見かけないエチュードがたくさん入っています。
もちろん、一般的な教本でも馴染みの曲も入っているので、抵抗なく入れると思います。

しかしながら、実に音楽的な選曲。
日本で販売されている多くの導入本との違いは歴然としており・・・
最初から ピアノを歌う楽器 として捉えていることがわかります。

最初から追っていきますと・・・

1.導入本に多く見られる、ドの音は1の指で・・・などという指の固定は一切ありません。
まずは、 手首の柔軟性を知る ことから始まります。→ 3の指1本奏法

2.次にノンレガート奏法で それぞれの指の特性を知り、支点の移動を意識する。

3.左手・右手で同様にひとつのメロディを交互に奏でる曲から始まります。
(ありがちな左手ドソミソ伴奏+右手メロディ、という曲ではなく)

4.左手の和声・ハーモニーの変化を聴きながら右手のメロディをレガートで歌わせる練習。



美しい響きを生み出すために必要な「耳」

「前腕の手首下側の支え」 「手のひらの筋肉」

この3つを育てることを目的に進行していきます。



ちなみに、よく「脱力、脱力!」と言われますが、上記の支えと手のひらの筋肉が無い限り、
脱力なんぞしてしまったら、ぐにゃぐにゃで音にはなりません。


支える筋肉があるからこそ、脱力が出来るのです。

小ノ澤 幸穂

小ノ澤 幸穂 Yukiho Onozawa

東京音楽大学付属高等学校を経て、東京音楽大学ピアノ科卒業。在学中、板橋区クラシックオーディション合格。第5回ヤングアーチストピアノコンクール奨励賞受賞。第30回国際芸術連盟新人オーディション合格。コンセール・ヴィヴァン新人オーディション合格。2006年、ポーランド国立ショパン音楽大学マスタークラスにてピオトル・パレチニ氏に師事。ディプロマ取得。2010年、及川音楽事務所第17回新人オーディション優秀新人賞受賞。2012年、音楽の友ホールにてソロリサイタル「音の先にあるもの」を開催。2013年より東京大学大学院情報学環・作曲指揮研究室にて演奏助手を務め、ドイツ・バイロイト祝祭劇場での音響収録や、初演作品や現代音楽の演奏に携わる。

現在、ソロリサイタルの他、アンサンブルでの活動も多く、声楽家・ヴァイオリニストなど多数のアーティストに招聘され共演、CD録音やリサイタルでの伴奏を務める他、オペラ公演ではオケ中ピアニストとして携わるなど活動は多岐に渡る。また近年、クラシック音楽を身近に広めることを目的に、トークコンサートをプロデュース。

これまでに、佐川草子、大野真嗣各氏に師事。日本クラシック音楽コンクール審査員。板橋区演奏家協会会員。及川音楽事務所所属。東京大学大学院情報学環作曲指揮研究室演奏助手。

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こちらまでお気軽にどうぞ。
 
  yukiho.onozawa@gmail.com

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