現代《の》音楽

演奏や音楽のこと
03 /03 2017
本日は東大のゼミ合宿で演奏してきました。ゲストに作曲家の北爪道夫先生をお招きし、先生の作品を、先生の前で!演奏させて頂きました。前々回のブログに書きましたが、クラリネット協奏曲です。
ピアノリダクションの譜面では、作品のイメージが湧き辛く悩んでいました。2日前にクラリネット奏者と合わせをし、その時に初めて音源を聴かせてもらうという事態(笑)(泣)しかしながら、音源を聴いて、なんと美しい響きの世界なんだ!と、居ても立ってもいられない気持ちになりました。そこからは自分と作品の間に通り道ができ、大好きになり、愛を持って練習しました。

私の中で「現代音楽」いえ、「現代《の》音楽」(北爪先生が『の』を入れてほしい!と仰っていました^^)に対するイメージが大きく変化しました。作品に表れている響きの美しさは、倍音の重なりが研ぎ澄まされているのに温かみを感じるという、独特の世界観だと感じました。どこからともなく表れる音の流れ、生まれては消えを繰り返し辿り着く頂点。音の消え方までもが本当に美しく。いわゆるクラシック音楽に例えるなら、スクリャービンの響きの世界観に通ずるものを感じました。

北爪先生の精神世界は、自然界でいう「雲」と最も調和するそうです。「ゆったりとした変容と雄大な流れの中に、響きや色を聴く」と仰っており、先生の作品がまさにそういった印象を受けますので、やはり、「作曲家が大切にしている最も調和する感覚」がそのまま音楽に反映されるんだなと改めて思いました。そうやって考えてみると、クラシック音楽を演奏するときに、私たちが何を大切にするべきかが見えてきませんか?今一度、自分がいま向き合っている作曲家の本質をきちんとつかむということが、その作品に命を宿すことに繋がることに気付きます。

最後に、先生の資料にある言葉をここに記します。

『私は様々な音楽から等距離の場所に立ちたい。音楽とそれ以外も出来れば区別して考えたくない。そうした場所で「現代の音楽」を考えたいのです。すべての経験を生かして得られた直観が「音の真実」を見抜くのではないか。合理性からはみ出した部分が大きな説得力を持つと思います。』

小ノ澤 幸穂

小ノ澤 幸穂 Yukiho Onozawa

東京音楽大学付属高等学校を経て、東京音楽大学ピアノ科卒業。在学中、板橋区クラシックオーディション合格。第5回ヤングアーチストピアノコンクール奨励賞受賞。第30回国際芸術連盟新人オーディション合格。コンセール・ヴィヴァン新人オーディション合格。2006年、ポーランド国立ショパン音楽大学マスタークラスにてピオトル・パレチニ氏に師事。ディプロマ取得。2010年、及川音楽事務所第17回新人オーディション優秀新人賞受賞。2012年、音楽の友ホールにてソロリサイタル「音の先にあるもの」を開催。2013年より東京大学大学院情報学環・作曲指揮研究室にて演奏助手を務め、ドイツ・バイロイト祝祭劇場での音響収録や、初演作品や現代音楽の演奏に携わる。

現在、ソロリサイタルの他、アンサンブルでの活動も多く、声楽家・ヴァイオリニストなど多数のアーティストに招聘され共演、CD録音やリサイタルでの伴奏を務める他、オペラ公演ではオケ中ピアニストとして携わるなど活動は多岐に渡る。また近年、クラシック音楽を身近に広めることを目的に、トークコンサートをプロデュース。

これまでに、佐川草子、大野真嗣各氏に師事。日本クラシック音楽コンクール審査員。板橋区演奏家協会会員。及川音楽事務所所属。東京大学大学院情報学環作曲指揮研究室演奏助手。

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