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ピアニストな日々。

・・・*Pianist 小ノ澤 幸穂 Official Blog*・・・美しい響き、豊かな音色を追い求めて。いつも、心に音楽を・・・

洗脳から解かれる日

怖いタイトルを付けましたね(笑)これを読んでいる皆さんは、プロアマ問わずピアノに熱心な方だと思うので、そんな皆さんのほとんどが「洗脳」を受けているのでは?と思う今日この頃です。ポジティブなものならいいですが、自信を失うような、本来の自分に蓋をしてしまうようなネガティブな意味での洗脳を、親御さんや指導を受けた先生からもらってしまっていることが、少なからずあるのではないでしょうか?第一線で活躍されている超有名なピアニストさんでさえ、この洗脳をご自身の中に認めていることを以前何かの記事で読みました。そして、その方はご自身の中で、もうそこから抜け出してやっていける時に来た、演奏が楽になったと仰っていました。これを読んで救われたピアノ弾きは多いのではないでしょうか?私も、はっとしましたよ、それを読んだ時は。


努力とは苦しいものだと、誰が決めたのでしょうか??足りないものを埋めるばかりの練習、苦痛じゃないですか??良いところを伸ばすというアプローチではダメなの??練習めっちゃして手が痛くなった!!って、え??それ美談でもなんでもないですから!!それは「技」がないからです。弾くという行為の、体の正しい使い方を知らないから。大事な道具である手を痛めて、弾けなくなるなんて、本末転倒。。プロだったら、体をとにかく大事にするものです。徹夜で練習?ありえない。本番の前日はしっかり寝ましょう。。苦悶しながら練習して、ぶっちゃけその状態で弾いていて幸せですか?このスポ根的練習スタイル、それを楽しめてるとしたら、よっぽどのマゾかナルシスト(笑)でもね、それができるのはせいぜい30歳までですよ。先がないんですよ、そのやり方だと。。。もう少しそこは合理的に考えて、練習スタイルを改めてみませんか?手に違和感があるのなら、奏法を見直す時です。


先生は神様ではありません。だから、狂信的にその先生が言う事全てに一喜一憂する必要なんかないです。先生からはアドバイスをもらったり、明確な技があればそれを教えてもらい、というか盗む(ありがたく!)。あとはそれを自分のものにするべく、楽しく練習や本番を積み重ねればいいんですよね。ちなみに私は学生時代、指の上げ下げで弾くハノンの練習、とにかくやりなさいと言われていましたが、一切やりませんでした(笑)本能的にだと思うのですが、脳が拒否したんでしょうね。。今思えば、10代から20代中盤、現在の奏法の知識はなかったにもかかわらず、ハイフィンガーにはならなかったのは、私の体という本能に基づいた直観だと思っています。


私のもとに奏法を直したいと習いに来て下さる方も、みんなそんな直観を持っている方々です。ただ、皆さんとお話ししていると、それぞれに抱えた洗脳があるなと気付く。それは私にもあったし、とってもよくわかります。ただ、現在の私は、洗脳からの完全卒業、ほぼほぼ間近といったところ(笑)皆さんも、そんな自分の洗脳にまず気付いて、そこから解放され、羽ばたける日を目指しましょう!!

それぞれの音質を感じて・・・

マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」、プッチーニ「修道女アンジェリカ」オペラ2演目、無事に本番を終えました。今回は弦楽器が充実した編成でしたので、ピアノな私は、音色・音質をどう馴染ませるか、あれやこれやとタッチやペダリングを試行錯誤していました。そもそも弦楽器や木管楽器の音の発音(鳴り始めの発音)はピアノのそれと全く違います。普通に弾いてしまうと、0コンマ何秒の世界ですが、ピアノのほうが早く鳴ってしまうのです。音が立ってしまうのですね。音の世界にとってこのコンマ何秒は大きいです。全体的に普段より後乗せのようにするのですが、上手くいったりそうでなかったり(笑)とにかく相当な神経を使います。。。音の角を作らないように。

     

スタインウェイのフルコンでしたが、前日まではキンキンカンカンな鳴りで、どうしようかと思いましたが、名取さんの調律マジックが入ったことで、まろやかなまとまった音に変貌を遂げました。お陰様でとても弾きやすかったです。

舞台上では様々なドラマが繰り広げられていたかと思いますが、半地下にもぐっているオケピット内にいた私からは、当然ですが何も見えません。。。お客様の感想を聴いたところ、「泣いた。」「舞台上のセット、照明、演出が素晴らしかった。」というお声が多く、これは早くビデオで体験せねば!と思っているところです(笑)

オペラは本当に何が起こるかわからない。歌手の皆さんの当日のコンディションはもちろんですが、本番ならではの感情の変化、表現の変化が様々あり、それに応じて音楽が伸び縮みするのです。それがオペラの醍醐味であり、また難しさでもあります。ですから、オペラを振れる指揮者さんは本当に本当に尊敬します。

      

ふぅ。。。一つ本番が終わって、ホッとしたのもつかの間、また明日から次のお仕事に向けて準備ですね。今回も、たくさんのプロフェッショナルに触れることができ、表に出る方々も、それを陰で支える方々も、皆が一つになって一つの成功を目指すというのは、本当に小さな感動や感謝が積み重なって成り立っていると感じます。皆様、お疲れさまでした!ありがとうございました。
       

3回目の五月会は49周年でした!

3年前から、五月会の「歌とピアノの夕べ」で声楽の皆さんの伴奏をさせて頂いています。今年で49回目、ということは、49周年ということ。先代の小山貞子先生のご人徳と、信念。それを引き継ぐ関わっておられるすべての皆様のお人柄。本当に素晴らしく、強い結びつきや繋がりを感じさせて下さいます。

      

親友のソプラノ歌手、黒澤麻美の、やっぱり凄い歌の世界。彼女の歌にはドラマがあって、技術が素晴らしいのはもちろんなのですが、彼女の歌の世界観が聴く人の心を鷲掴みにします。専属の伴奏者である篠宮久徳さんのピアノも、呼吸と音の層が素晴らしく、私が歌手だったら彼に伴奏をお願いしたいとつくづく思いました(笑) 待ち時間にもたくさんピアニストトークができて、とっても充実でした!私が伴奏させて頂いた皆さんも、常に真摯に音楽に向き合っていらして、毎年ご一緒させて頂くことが楽しみになっております。


さて、6月18日(日)のオペラ公演「カヴァレリア・ルスティカーナ」&「修道女アンジェリカ」が近づいてまいりました!!無事に楽譜も届き(笑)オケ稽古も始まっています!明日はオケ稽古のあと、そのまま歌手の皆さんと初合わせ、総稽古です。長丁場です。体力勝負です。集中力勝負ともいう。。。さて、どうなりますか…楽しみです♪

室内楽って何ですか??

「室内楽」と聞いて、「あ~それはね・・・♪」と雄弁に語られる方は少ないと思います(笑)むしろ「室内楽・・・って、なぁに?」という反応のほうが自然な気もします。簡単に申し上げますと、『様々な楽器を中心とした、オーケストラより小さい編成での音楽』です。

9月10日のコンサートのお知らせです!皆さんご都合いかがでしょうか??
前半は室内楽、編成はヴァイオリン×2本、ヴィオラ、チェロ、フルート、ピアノ !想像するだけでも華やかなアンサンブルではないですか!!皆さん耳馴染みのある名曲の数々を、ゴージャスなアレンジでお届けします!そしてそして後半は、歌手も加わってオペラのハイライトをやってしまおう!という非常に豪華なコンサート。

題して、 Music Festival~室内楽とオペラの饗宴~

      

      

私としましても、このようなアンサンブルの編成で指揮者無し!というのは初体験です。こういう時のピアニストは、テンポと雰囲気を作る重要なポジションです。かなりの重責なんです(笑) でも、そんな緊張を吹っ飛ばしてくれるような、素敵で華やかなプログラムとなっています!!たくさんの方にお聴き頂けたら嬉しいです!!

チケットのご用命は、直接私までお声がけ頂くか、yukiho.onozawa@gmail.com までご連絡くださいね!

努力だと思ってない・・・ということ

最近、色々な方と接する中で感じたことを、言葉にまとめておきたい気分になってきました。例えば人が何かに対して意見や感想を述べるときは、その人の持つ価値観(出会ってきた人や、環境でできるもの)で、お話をされますよね。肯定的に話す人と否定的に話す人がいますが、それも、その人の価値観から発生するものなのでしょうね。ですから、あまりそれに左右されることは無いのかなと。私自身も悩むことがありますが、自分に確固としたものがあれば、割と何を言われても平気になってくるのかな^^

例えば、ピアノは毎日練習するのが当たり前なのですが、だいたい4時間ですかね。ある人からしたら、大変ね~!と思うことなのかもしれませんが、私にとっては普通で、全く苦痛などなく、やればやるほど元気になります(笑)演奏の仕事やレッスンがありますので、必ずしも毎日練習できるわけではありませんが、音楽家にとっての練習は、当たり前の日常です^^

作品の背景や時代のこと、楽譜に書かれている色々を考察するのも、スイッチが入ると本当にむさぼるようにやってます(笑)よく生徒さんで、ご自身で調べたり熟考する前に、「これはどうすべきですかね?」と聞いて来られる方がいるのですが、なんと勿体ないことでしょうといつも思っています(笑)自分で調べて、自分で体感して、悩んで、わからなくなって、ひらめいて・・・それでやっと本当の自分の知識・自信になるのですから、その工程をすっ飛ばして人(先生)に聞いてしまうのは本当に勿体ないこと。そして、先生というのは、その人がどれだけ考えて、どれだけ音楽と深く向き合ってきているかが、一瞬にして分かってしまう生き物です。。

クラシック音楽は、やっぱり芸術音楽。確かに娯楽としても十分に楽しめる要素はありますが、演奏する側は芸術をしていないと、伝えられない難しさ、厳しさがあります。自分との対峙。深さ。


そうそう、何かに没頭してる人って、それをやりたくてやってるというか、そもそも何も考えてない(笑)「言われてみれば没頭してるわ!」という感じなので、それを努力だとも思ってないんですよね。進路(音高・音大)の話になったとき、常にこの状態になっている子だったら、何も心配なく突き進めー!といった感じですが、そうではない、どこかやらされてる感が少しでもあった場合は、音楽の道は薦めません。「才能」というものがあるとすれば、それは「没頭レベル」で測れるかもしれません。上手いとか下手じゃない。

オケ中ピアノ@OPERA

オケ中ピアノというお仕事があります。要するに、オーケストラの中で、オーケストラのメンバーの一人としてピアノを弾くわけですが、指揮者さんのお導きのもと、他の奏者の音に耳を澄ませ、バランスを整え、究極のアンサンブルを楽しめるお仕事。ピアニストにとっては、オーケストラの皆さんの心情を体験できる唯一のポジションだと思っていますので、貴重です。そして、オペラでのオーケストラはピットに入ります。ピットでスタインウェイのフルコンをよく弾いているピアニストも少ないでしょう(笑

6月の公演は、オペラ二本立てです!オリジナル編成のオケですので、アレンジが入るのですが、そのアレンジされた楽譜がまだ届いておりませんの!!ちなみにオケ稽古は本番直前に3回ありますがね、、はやく譜読みしたいのにできないジレンマ(笑)そんな複雑な心境の中、告知をすることとなりました。。。

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「カヴァレリア・ルスティカーナ」は間奏曲がとても美しく、有名ですね。全体を通して音楽がとても魅力的です。「修道女アンジェリカ」に関しては、アリアをピアノ伴奏したことはあるのですが、全体像は今から勉強しつつ深めていきます。

とにもかくにも、楽譜はやくして(笑) (歌手の皆さんの稽古は順調に進んでいるそうです^^!)

リラックスってむずかしい

私にとって最も難しいことと言えば、、、リラックスすることでしょう。

カラダを見るプロに出会うと必ず「あ~、常に緊張状態だね~。大変だこりゃ」と言われます(笑)以前、胃カメラを飲むときの麻酔が普通の人は眠ってしまうレベルだったにも拘らず、私は覚醒しており、お医者さんがびっくりしていたこともあったほどです。おそらく、カラダの凝り固まりが影響して自律神経がやられているのでしょう(笑)

今回も、新しくご縁の出来た方に私の緊張をズバリ見破られ、寝ているときも緊張しているだろうとも言われ、まるで武士だなと思いました。武士さんは片目を開けて寝ていたそうですからね!!私は武士ではありませんので、とにかく永くピアノが弾けるように、体のメンテナンスは今まで以上にやっていきたい所です。

そんな、常に緊張している可哀想な私に、「波動が良いからリラックスできるよ~」とお紅茶をプレゼントして頂きました!優雅でリッチなお味なのに、何故か肩の力が抜けて、はぁ~っ、と幸せなため息が漏れます。全身に爽やかに澄んだ風が吹きます。カラダがほぐれると、心もリラックスできますね。リラックスすると呼吸がしやすくなり、なぜか集中力も高まって、練習がはかどりました!

     


新しく発売されたばかりで、ブレンダーは弱冠17歳とのことです!!センスに年齢は関係ありませんね。
お紅茶好きの方、日々の生活に疲れているそこのあなた。おススメ致します。

Nuit Étoilée


     

そして、お紅茶のお供は、生徒さんから頂いたピアノ、じゃなかったお菓子です(笑)箱を開けたらピアノが出てきて、わーー!!となりました。ちなみに鍵盤の中にはとっても美味しいフィナンシェが入っています。こういった洗練された遊び心も、人をリラックスさせてくれるものですね。

私は、私の奏でる音楽を聴いて下さる皆様を、リラックスさせたり、時に昂らせたり・・・。そのためにも、自分の体を、これまで以上に大切に、大事にしていこうと思います。うまくまとまった。

音楽の中にある愛

4月22日(土)は、「第7回 和亭なにわクラシックコンサート」でした。
今回は多方面でご活躍中の、音楽家としても人生の先輩としても尊敬できる、ソプラノ新藤昌子さん、メゾソプラノ北澤幸さんをお呼びして「春爛漫トリオコンサート」でした。おふたりの安定した素晴らしい歌唱のおかげで、充実したコンサートとなりました!このような超至近距離での演奏は、お客様との交感を密に感じられ、毎度本当に温かいです。遠方から新幹線でいらして下さったお客様との初対面もあり、音楽が導いたご縁に感謝感謝。そして、いつも楽しみに応援して下さっている皆様、本当にありがとうございます。引き続き、真摯に一途に。表現者として充実した生き方をしていきたいと思っております!



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空間におふたりの歌声が響き渡りました。
全体のプログラム構成がとても良かったとお褒め頂きました。
私のソロ2曲のうち、シューマン=リスト「献呈」は、元となったシューマンの歌曲を昌子さんに歌って頂いてからの演奏でした。当初は聞き比べとしてのプログラムでしたが、これは私にとって、たくさんのインスピレーションを受ける体験となりました。トークでもお伝えしましたが、ドイツ・バイロイトにあるリストのお墓に行った時に感じた深く広い愛、温かい毛布に包まれるような包容力。それを今まさに再び現地に戻されたような気持ちで演奏できました。
音楽というのは本当に不思議ですね。時に、自意識から解放される瞬間があるものです。




                 ソプラノ新藤昌子さん、私、メゾソプラノ北澤幸さん

日々の生活の中に、たくさんのヒントやチャンスが転がっていて、それをキャッチできるかできないかは、自分の心の在り方次第です。そのためにも、心も体も柔軟に、そして、良いもの美しいもの、本物を瞬時に感じ取れる感性も常に養っていたいと思います。
今回ご一緒させて頂いたお二方は、そのようなことを日々実践されている方々♪とっても気持ちよくアンサンブルができ、とっても幸せでした!

新藤昌子さんのサイト
北澤幸さんのサイト

プロフィール写真を新たに

      


新年度に入り、気分を新たに・・・
プロフィール写真の撮影に行って参りました。

現時点で確定している出演予定としましては、

4月22日(土) なにわにて春爛漫コンサート。お陰様でこちらは完売です。

6月10日(土) 東松山市「五月会」にて、声楽の皆さんの伴奏。

6月18日(日) オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」「修道女アンジェリカ」。私は、オケ中ピアノを務めます。オケピットに入り、弦管楽器とのアンサンブルです。オケ稽古は本番1週間前から数回しかありません。ですので、今からしっかりと練習しておきたいのですが・・・まだ譜面が届いておりません・笑(いつもかなりギリギリ^^;)歌手の皆さんの稽古は順調に進んでいるようです!

9月10日(日) Music Festivalと題した室内楽のコンサート。こちらはピアノ五重奏などとっても華やかな演目揃い。もちろん私は全曲演奏します!

11月26日(日) 品川にある高輪プリンセスガルテンにて、ソロリサイタルを行います!現在、プログラムを考え中です。成長した演奏をお届けできますよう、日々鍛錬。

そして来年には、モーツァルト ピアノ協奏曲第20番を演奏させて頂く機会を頂きました!

たくさんのお客様にお越し頂けますよう。喜んで頂けますよう。日々精進します。全て詳細は決まり次第お伝えいたしますので、何卒宜しくお願い致します!

そもそもロシア奏法って?「従来の奏法との違い」「誤解された脱力」「本当の重力奏法」

最近、生徒さんを教えていて色々気が付いたことがあり、それがある程度まで膨れ上がってきましたので、今年度の締めとして、ここに報告します(笑)今現在習っている方はもちろん、「ロシア奏法・重力奏法」というワードからこのブログをご覧になっている方も、是非ご一読頂ければと思います。と同時に、文章で記すことの限界も感じています。本やブログなどの文字情報の通り真似てみたとしても、残念ながら推測ベースであることも、レッスンの中で明らかになっています。実際にこの奏法で演奏しているピアニストやピアノ教師の丁寧な指導の下、自ら体感、実感し、継続することが全てです。


♦ロシア奏法(重力奏法)とは♦
多くの一流ピアニストが身に着けている演奏法です。(ロシアの作品のみを弾くための奏法ではありません。そもそものピアノの弾き方・技術です。)身体にとって自然で、かつ合理的な骨の動きと、それを支える筋肉を使う演奏法です。レガートを基本とした美しく歌うような音が特徴です。コントロールの利いた繊細なタッチで、豊かで深い響き、遠くまで届く研ぎ澄まされたピアニッシモ、多様な音色を生み出す奏法です。ホロヴィッツ、アルゲリッチ、プレトニョフ、ソコロフ、ガブリロフ、ダン・タイ・ソン、キーシン、ラン・ラン、トリフォノフなど多くの一流ピアニストがこの奏法です。(国籍は関係ありません)


♦従来の奏法との違い♦
従来の日本の音楽教育現場に流通している「指弾き」(ハイフィンガー)は、指の関節を固めて、まず指を持ち上げてから落とすという弾き方です。出てくる音の特徴としては、とても硬い音、そして音色の変化がありません。この弾き方は、指の運動量が異常に多く、指に頼った「指主体」の弾き方です。人によっては指が弱い、回らないと指摘を受け、自分は技術がないんだと思ってしまったり、長時間無理な練習をして故障を招くこともあるのです。

対して、レッスンでお伝えしている ロシア奏法は、指を持ち上げる筋肉「伸筋」を使わず、物をつかむときに使う「屈筋」で弾く奏法です。この奏法は、上腕の重さを利用した重力奏法にも基づいています。指の上げ下げを行わないので、結果として指の運動量は軽減されます。とても楽で、疲れず、まるで弾いていないような感覚になります。従来の弾き方と比べ、指が安定します。細かい音が流麗にクリアに弾け、なおかつ、レガートで歌う響きや音色のコントラストをつけることができるのです!


♦脱力の間違った解釈♦
ピアノの教育現場では「脱力」が永遠のテーマとされています。最も大切なことは、「どこを脱力するか」にあるのですが、、、レッスンに来る生徒さんの多くが、間違った場所を脱力をしている事に気が付きました。(ここでの脱力とは「ピアノを弾く上で有効に働く脱力」ということです。)

例えばとして、

1.手首を脱力し、指の関節を固めて指の上げ下げで弾いている状態⇒鍵盤を押し込んでしまう⇒響きが潰れます。詰まったような音になりますし、全く表情が付きません。音色のコントロールも不可能です。

2.手全体を脱力して弾いている状態⇒鍵盤の押し込みはありませんが、キースポット(鍵盤の深さ1センチの中にある音が鳴るスポット)を捉えられずに、音が浮き上がってしまいます。指と指の隙間から音が漏れていくようになり、音の密度が低く、芯の無い浮いた音に聞こえます。


正解は、支えと脱力の関係にあります。
では、その「支え」とはどこか?どこを「脱力」するのか? (「支え」は緊張や固定とは違いますよ!)


♦本当の重力奏法とは♦
重力なんだから、とにかく重さをのせればいいんだな!というのは間違いです。鍵盤には自動的に戻ってくる浮力があります。その浮力を利用して弾くのです。
『鍵盤を押し込まず、しかし、浮き上がらずに弾く』わけですが、これを成すには、上に記した『支えと脱力』のテクニックが必要です。

インナーマッスルを使います。中でも手の安定を目指すには《手のひらの筋肉》と《前腕の内側の腱の支え》が必要です。この《屈筋と腱》が育つと、手が安定し、指の繊細なコントロールが可能になっていきます。この安定により腕の重みを支えるのです。「上腕の重みを自然に落としつつ、前腕の下側と手の中で支えているという状態」=「脱力と支えの関係」 これこそが、本当の重力奏法です。


♦耳の意識♦
そして、これらのことと同時に、「耳の意識」を変えていきます。自分の出す音全てに耳を澄まし、耳で音を追っていく習慣をつけます。身体のコントロールと、耳をどう使うかは、常にセット。少しづつ使うべき筋肉や腱が発達し、音色が変わっていく段階で、耳もそれを追い求め変化をしていきます。不思議なことに、耳に意識が行くと、身体の無理な緊張が解け、いわゆる「ピアノ演奏にとって有効な脱力」が成功するのです!

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奏法について触れている過去の記事を、ひとつのカテゴリーにまとめました。
より細かく、詳細に書いています。⇒奏法についてのお話

春の準備

今年度も間もなく終わりますね。世間としても始まりと終わりの準備で、何かと忙しい時期なのではないでしょうか。私も、今、全体的に人生が忙しい(笑)転換期、浄化の時期が来ていると感じずにはいられないような出来事が次から次と起こり、何もこうも重ならなくてもいいのにと笑ってしまうくらいです。そうそう、何か決断に迷ったときは、「勇気」を必要とする方向を選んだほうが、人生が飛躍するようですね。その勇気とは、「自信」なのかもしれませんね。そして自信とは、「積み重ね」から芽生えるものなのでしょうね。

そんな日々ですが、きっとその頃は春爛漫であろう4月22日。神保町和亭なにわにて、第7回目のクラシックコンサートを開催いたします!今回のゲストは多方面で大活躍されているベテラン歌手お二方をお呼びします!!

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暖かな春を想像し、これから具体的にプログラムを詰めていきます!
座席に限りがございますので、もしご興味ございましたら早目のご連絡を!!

現代《の》音楽

本日は東大のゼミ合宿で演奏してきました。ゲストに作曲家の北爪道夫先生をお招きし、先生の作品を、先生の前で!演奏させて頂きました。前々回のブログに書きましたが、クラリネット協奏曲です。
ピアノリダクションの譜面では、作品のイメージが湧き辛く悩んでいました。2日前にクラリネット奏者と合わせをし、その時に初めて音源を聴かせてもらうという事態(笑)(泣)しかしながら、音源を聴いて、なんと美しい響きの世界なんだ!と、居ても立ってもいられない気持ちになりました。そこからは自分と作品の間に通り道ができ、大好きになり、愛を持って練習しました。

私の中で「現代音楽」いえ、「現代《の》音楽」(北爪先生が『の』を入れてほしい!と仰っていました^^)に対するイメージが大きく変化しました。作品に表れている響きの美しさは、倍音の重なりが研ぎ澄まされているのに温かみを感じるという、独特の世界観だと感じました。どこからともなく表れる音の流れ、生まれては消えを繰り返し辿り着く頂点。音の消え方までもが本当に美しく。いわゆるクラシック音楽に例えるなら、スクリャービンの響きの世界観に通ずるものを感じました。

北爪先生の精神世界は、自然界でいう「雲」と最も調和するそうです。「ゆったりとした変容と雄大な流れの中に、響きや色を聴く」と仰っており、先生の作品がまさにそういった印象を受けますので、やはり、「作曲家が大切にしている最も調和する感覚」がそのまま音楽に反映されるんだなと改めて思いました。そうやって考えてみると、クラシック音楽を演奏するときに、私たちが何を大切にするべきかが見えてきませんか?今一度、自分がいま向き合っている作曲家の本質をきちんとつかむということが、その作品に命を宿すことに繋がることに気付きます。

最後に、先生の資料にある言葉をここに記します。

『私は様々な音楽から等距離の場所に立ちたい。音楽とそれ以外も出来れば区別して考えたくない。そうした場所で「現代の音楽」を考えたいのです。すべての経験を生かして得られた直観が「音の真実」を見抜くのではないか。合理性からはみ出した部分が大きな説得力を持つと思います。』

クラシック・ジャケットの女性~日経新聞~

伴奏で収録に携わったCDについて、日経新聞に掲載されました!
ちなみにCDはAmazonで購入できます。

      

収録は5年前かぁ
懐かしいです。

現代音楽へのアプローチ

皆さん、現代音楽にはどのようなイメージや印象をお持ちでしょうか?

ウィキペディアから引用すると、『西洋クラシック音楽の流れにあり、20世紀後半から現在に至る音楽を指す。 現代音楽は、調性をはじめとする従来の音楽様式を否定した先鋭的な音楽を指すことが多い。 最も顕著な特徴は無調への傾倒と不協和音の多用である。』

とあります。簡単に言ってしまえば、いわゆる私達が接しているクラシック音楽には、旋律や和声があり、調性という様式の中に成り立っています。かたや現代音楽はそれらの伝統的な音楽パターンを破壊する形で作曲されています。演奏者としては、譜読みをし、身体に馴染ませるまでが至極困難なものが多いです。複雑なリズムや、音と音がぶつかり合う不協和音、広い音域に渡って音の跳躍が多いのも特徴です。個人的には「頭脳の音楽」「アカデミックな音楽」という印象です。


      


このたび、北爪道夫先生のクラリネット協奏曲を、先生ご自身の前で演奏する役目を授かりました!お声がかかった時点で本番まで3週間もない状態。楽譜が届いていよいよ譜読みを開始して、現在私の脳はオーバーヒートしております。。。クラリネット協奏曲ですので、クラリネットのソリストがいらして、私はオーケストラのパートを弾くことになります。オケパートをピアノ用に編曲されたものをピアノリダクション版というのですが、複数の楽器の動きを、ピアノ1本で弾くことになりますので、技術はもちろん、音の進行、響きの方向性を立体的にすることでオーケストレーションの雰囲気を出すように努めます。

本番までに日数が少なく、無茶ぶりだなぁ…(汗)と思いましたが、とてもありがたい任務です。現段階では間に合う自信がありませんが(笑)何とか身体に入れて、できる限り、作品の本質に迫れるよう弾き込んでいきます!

演奏家が育つ環境

近年、私のかつての教え子たちが、演奏家として舞台に立つことも多くなってきました。とっても嬉しく、本当に喜ばしいことです。共通して見られるある種の「熱感」「粘り強さ」みたいなものを、思い起こせば皆子供の時から持っていると感じます。

よく、「環境が良かったのね~」「ご両親に感謝ね~」と言われることが多いものです。それは本当にその通りで、否定するつもりはありません。実際、多額のレッスン料(長期に渡って)と学費がかかります。楽器自体も高いです。楽器を練習する環境(防音など)も必要です。それらの環境を経済的にも精神的にも整え、支え続けてくれるのは、両親や家族です。

ですが、「環境だけでは続かない」ということも事実なのです。実際、とても裕福な家庭に生まれ育ち、音楽を学び演奏家の道に進む人もいますが、様々な理由で(環境的には続けられるが)やめてしまう人もいます。かたや、環境的に続けることが困難だけど、いろいろな協力を受けて(受ける流れに不思議となる!)続けていき、花が開いていく人もたくさんいます。

何が言いたいかというと、「本人の努力次第」なのです。
続けることも、やめることも、本人が決めたこと。
環境だけでよい演奏家が育つほど、甘くはないし、簡単ではないです(笑

人を好きになる気持ちと一緒で、理由なんかない。何だかわからないけど惹かれる。そして飽きない。時によく分からなくなるけど、やっぱり一番好き。一緒にいることが当たり前。だけど特別。
一流・二流に関わらず、根っこにある気持ちは一緒だと思います。役目とか使命とかの前に、実に単純でシンプルな気持ち。それが何かを続けている人の共通点かもしれませんね。


それにしても、マイ楽器と常に一緒、演奏はもちろんその「愛楽器」と・・・という弦楽器や管楽器の皆さんが本当に本当に羨ましい。。。しかも、自分の体の中に入る、懐に入るサイズ感って、なんかいいじゃないですか(笑
それに比べてピアニストって特殊ですよね。毎回初めましてが殆どで。(超一流ともなれば、マイピアノを輸送する方もいらっしゃいますし、会場以外の楽器を選定することもありますが、それは稀です)。ピアニストの使命として、相性がよかろうが悪かろうが、瞬時に仲良くならないといけないのです。そして、そんないろいろな性格を持つピアノさんを、演奏者の要望や素質に合わせて弾きやすくする使命を調律師さんが担ってくれているのです。チューニングを他者に任せるピアニストという職業は、本当に特殊ですね。